妻には実家近くに仲の良い3人の女友達がいます。
なぜか夫である私もその中に混ざって楽しんでいます。
結婚して初めて妻の実家へ帰省したときのこと、
この3人から大歓迎を受けました。
慌ただしい日程にもかかわらず、
食事やイベントを設定してくれ、
3人からなんとかお祝いしようという気持ちが、
ひしひしと伝わってきたことを覚えています。
彼女たちからしたら、仲のいい友達を、
突然遠くの地から来た関西弁丸出しの男が奪いに来たんだから、
複雑な気持ちだったと思いますが…、
実家から帰る際に、駅のホームで私たちをサプライズで待ち構えていて、
プレゼントを渡してくれた際に、
「この三人との関係は絶対に崩してはいけない」と、
私は心に誓い、そして20年以上たちました。
一人は結婚して家庭を持ち、3人の子に恵まれ、
旦那さんを含め家族ぐるみで交流しています。
もう一人は独身ですが、頻繁に電話やメッセージをやりとりし、
私たち夫婦と仲良くお付き合いしております。
この2人とは妻の実家へ帰省するたびに、
家へ上がり込んだり、連れ出して(つれだされて)遠出したりしていますが、
最後の一人とは、私たちが結婚してしばらくして、
地元を離れてから、疎遠気味になり、
いつの間にか携帯番号やメールアドレスも変わってつながらなくなり、
結婚してからは年賀状のやりとりのみになってしまいました。
そして久しぶりに連絡が来たと思ったら…、
「今朝、妻が虹の橋を渡りました、癌でした…すでにお通夜を済ませ、
翌日告別式ですが、家族葬で行います」と旦那さんと思われる方からの、
メッセージを受け取った友人からの連絡でした。
妻はこの子が癌で闘病しているというのは知っていましたが、
本人の口からでは無く、友人ヅテの情報だったので、
直接本人へ聞くこともできず、毎年来る年賀状を見て元気にやってるんだな~、
そう確認していました。それしか確認するすべが無かったというのが現実…、
そして妻の周りの人も誰一人、旦那さんと交流していた人がいない…、
結婚すると生活環境が変わったり、家庭中心になってしまうのは仕方ない、
でもなんとかできなかったのかな?
例えば年賀状に電話番号やアドレスを載せてみるとか、
私の方からアプローチできなかったのか?
今から考えると旦那としても、すごく悔やまれます。
「20年前の想いがかなわなかった…」
そして世の中ではまたコロナが流行り始めました。
初盆やお彼岸に彼女の姿(遺影)に会いに行くのも、
ひょっとすると厳しそうな感じになってきました。
最後まで病魔と闘った勇敢な彼女のご冥福をお祈りいたします。
そして、20年前の誓いを破ってしまった弱い旦那をお許しください。
合掌